あたしたち別れましょ。
遼太郎。
「姉ちゃん、呑まね?」
弟に誘われたのは実家に帰って1ヶ月とちょっと過ぎた…金曜日の夜のことだった。
「あんた18歳でしょ…」
「酎ハイならセーフだろ」
「アウトよ」
酎ハイでも酒は酒だ。
「まぁ、そこは多目に見ろよな」
何を言っても自分を曲げないのが遼太郎。
遼太郎を止めるのは無理だ。
「仕方ないな…じゃあ、先に風呂入ってくる」
「おぅ。上がったら教えて」
「ん」
部屋に入って着替えながら遼太郎の行動の理由を考える。
あいつただ呑みたかったから誘ったのかな…?
いや多分違うな…。
我が弟ながら遼太郎は頭が賢い奴だ。
ただ呑みたかっただけの理由で誘わないはずだ。