あたしたち別れましょ。


「ちょっ、姉ちゃん何すんだよっ」



「フフフ、遼太郎…大きくなったね」



遼太郎は拒むけど頭を撫でることはやめない。

寧ろ拒まれたらもっとしたくなる。



「小さい頃はあんなに泣きながらあたしにくっついて来てたのに」





『ねぇちゃん、ねぇちゃんどこいくの?』



『かんなちゃん家だよ』



『おれもいくっ』



『ダメだよ。遼太郎はお留守番』



『イヤだ!イヤだ!ねぇちゃんといくっ』





あんなに鼻水垂らして泣いてた奴が…。




「大人になったね」



「…うるせぇ」



遼太郎が顔を真っ赤にして恥ずかしがる姿を見てとても心が暖かくなった。



「遼太郎は周りのことを考えられる良い子になったね。

でも周りのことばっかり心配するんじゃなくて、自分の幸せも考えなさい」



遼太郎は相手を思いやることができるとても良い子だ。


だからこそ、自分の幸せを遠回しにしてしまう癖がある。

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