あたしたち別れましょ。
「遼太郎の…ばーか」
弟の胸の中に飛び込んだ。
遼太郎の服を強く掴んで涙を流す。
「馬鹿な姉を持った弟は大変だ」
今度は遼太郎があたしの頭を優しく撫でる。
遼太郎のその行為にまた涙が出る。
「ちゃんと…ちゃんと正樹と話すね」
「ん」
「どんな結果になっても…遼太郎は笑ってくれる?」
「そりゃあ、俺の姉ちゃんだもん。姉ちゃんがどんな答えを出しても笑ってやるよ」
「ありがとう…」
「2本目…呑もうぜ」
「うん」
遼太郎の服から手を離して顔を上げると遼太郎は笑って服の袖で顔を拭いてくれた。
「ほら、呑むぞ」
遼太郎が冷蔵庫から出したビールを受け取ると開けて勢い良く喉に流し込む。
「泣いた後のビールは美味い!」
「何言ってんだか…」
「遼太郎」
「ん?」
「あたし頑張るね」
「おう」
それから2人で笑い合いながらビールを呑んだ。