あたしたち別れましょ。
「お母さん出てくるね」
「あら、朝からどこ行くの?」
「んー…どこだろう。分かんない」
「分かんないって…」
「一先ず電車かな。7時45分の電車に乗らないといけないから、もう行くね」
「はいはーい。気をつけてね」
「うん」
お気に入りのパンプスに足を入れ、鞄を持つと玄関を開けた。
「いってきまーす」
「いってらっしゃーい」
待ち合わせは正樹が指定してきた。
高校時代、毎日登下校で乗った電車。
時間まであの頃の登校する時の一緒の電車なんて…正樹は何がしたいんだろう。
『美幸ちゃん、おはようっ』
『おはよう、今日も眠たそうだね』
『昨日も友達と夜中まで遊んでたんだよ』
『元気だね』
歩きながら高校の頃を思い出していた。