あたしたち別れましょ。


前から2両目の電車に乗り込む。



日曜の朝の電車はいつものような混みはない。


席だって疎らに空いているぐらいだ。



けれど、あたしは立って外の景色を眺めていた。


高校の頃、いつも立っていた場所だ。



そして電車が2つ先の駅に止まった。




「…久しぶり」



「久しぶり」



2ヶ月振りの正樹は遼太郎の言う通り見た瞬間に痩せたと分かるほど痩せていた。



「痩せたね」



「はっきり言うな…まぁ、正直言うと8キロ痩せた」



「8キロ…」



あまりの痩せようにびっくりして口が塞がらない。


「まぁ、仕方ないってことかな」



「……」



「なぁ、美幸」



「ん?」



「今日1日付き合ってくれないか?」



「別にいいけど…」



「ありがとう」



痩せても正樹の笑顔は変わらなくカッコ良かった。


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