あたしたち別れましょ。
「仕方ないよ…」
人は時が経つとその環境に慣れる。
苦笑いをして正樹を見るが正樹の表情は変わらない。
「仕方なくねぇよ」
「……」
正樹が悔しがってるのが雰囲気で分かる。
「美幸に言われて気づいた自分が情けなくて仕方ない」
「…正樹」
「告白した時、ずっと大切にするって決めたのに」
『ずっと、ずっと、絶対、大切にするから』
付き合ってすぐ言われた言葉を思い出す。
「美幸が家を出て行ってから、1人になってこれまでの9年間を思い出してた。
出会って、付き合って、笑い合って、ケンカして、一緒に暮らして…9年間たくさんのことを美幸と共有したな」
「そうだね」
「なぁ、美幸」
「ん?」