密儀【TABOO】
頬に触れ、自ら合わせた唇と唇。
想様の匂い
想様の息
想様の温もり
共に過ごしてきた時間
この秘密と共に胸に留めて、私はこの先きっと強く生きれる。
「ゆき……」
温かい手、ずっと寄り添っていたかったのに……
「ゆき……幸せになれよ」
辛そうに歪めたれた想様の美しいお顔。
「はい、想様のおかげで私は今すごく幸せにございます」
来客を知らせる鈴の音が響く、出発の刻がやってきた。
「結婚おめでとう、ゆき」
密儀
THE END