甘くて危険な輝き~GOLD PRINCESS~
ギリギリの生活を続けていたある日
久しぶりに父さんが帰ってきた
あの最低な母親でも、父さんが帰ってくれば大人しくするしかない
父さんに捨てられたら、金が一切入らないからだ
「帰ったの」
「…ああ」
といっても、これだけの会話
夫婦のようにはとても見えない
「……父さん」
「陽。ただいま」
「おとーーーさん‼おかえり‼」
「朝陽。いい子にしてたか」
でも、俺たちには優しかった
「陽」
「…なに」
「何か最近あったか」
「………朝陽の、給食費…とられた」
「…そうか
今月の生活費だ
これから出してくれ」
いつもの会話
父さんは俺に生活費を渡していた
あの母親に見つからないように
勿論、"とられた"というのは、あの母親に、だ