「異世界ファンタジーで15+1のお題」一
006:遅刻者
「へぇ…あんた、こんなでかい家に一人で住んでるのかい?」
「あぁ…まぁな。」
セルジュが驚くのも無理はない。
一人暮らしだと聞いていたから、てっきり、アパート暮らしだと思いこんでいたのだが、グレンの家は一人で住むには広すぎる立派な屋敷だった。
私達は今後の予定も決まらないまま、グレンの家に滞在することになった。
「レヴ、グレンのおかげでしばらくの暮らしはなんとかなるにしても…これからどうするつもりなんだ?」
「そうだな…とりあえず、隣の町まで行けることはわかっているが…その先がどうなっているのか、明日にでももう一度隣町に行ってみよう。」
「そして、またあの壊れた時計を探すってわけだな。」
「そういうことになるな。
おそらく、それがみつからないことには先へは進めないのではないかと思う…」
「どうやらそうらしいな。
今は、なんでそんなことになったのか?なんてことを考えてもきっと答えはみつからないだろうから、先に進む道を探すしかない…
そういうことなんだろ?」
「あぁ、その通りだ。」
*
私達は、次の日、またエミル達の住む隣町を訪れた。
さほど広くはない町を通り抜け、街道をしばらく進むと、次の町に着いた。
「やはりな…」
予想通りだった。
その町には誰もいない。
ここもまたあの石畳の町と同様に、町はしんと静まり、物音一つしない…
「ここでまた時計探しをしなくちゃならないってことか…」
「そのようだな。」
「時計がみつからなければ、先へは進ませてやらないよ!…って、誰かが意地悪をしてるわけだな。」
「そうらしいな。」
「ずいぶんと馬鹿馬鹿しいゲームを考えた奴がいるもんだ。
……でも、あんたは最後までそのゲームをやる気なんだろ?」
「君はやらないつもりなのか?
他になにか策でもあるというのか?」
「いや…策なんてなにもない。
ただ…こんな風に良いように動かされるのが、ちょっと癪に障ってな…
結局は、あんたの言う通り、このゲームを終わらせない限りは、元の世界には帰れないのかもしれないが…本当に帰れると思うか?」
「それはわからないさ…
だが、今は私には選択肢がないように思える。
元の世界に帰れようが帰れまいが、今は私にやれることをやるしかないように思えるのだ…」
「あぁ…まぁな。」
セルジュが驚くのも無理はない。
一人暮らしだと聞いていたから、てっきり、アパート暮らしだと思いこんでいたのだが、グレンの家は一人で住むには広すぎる立派な屋敷だった。
私達は今後の予定も決まらないまま、グレンの家に滞在することになった。
「レヴ、グレンのおかげでしばらくの暮らしはなんとかなるにしても…これからどうするつもりなんだ?」
「そうだな…とりあえず、隣の町まで行けることはわかっているが…その先がどうなっているのか、明日にでももう一度隣町に行ってみよう。」
「そして、またあの壊れた時計を探すってわけだな。」
「そういうことになるな。
おそらく、それがみつからないことには先へは進めないのではないかと思う…」
「どうやらそうらしいな。
今は、なんでそんなことになったのか?なんてことを考えてもきっと答えはみつからないだろうから、先に進む道を探すしかない…
そういうことなんだろ?」
「あぁ、その通りだ。」
*
私達は、次の日、またエミル達の住む隣町を訪れた。
さほど広くはない町を通り抜け、街道をしばらく進むと、次の町に着いた。
「やはりな…」
予想通りだった。
その町には誰もいない。
ここもまたあの石畳の町と同様に、町はしんと静まり、物音一つしない…
「ここでまた時計探しをしなくちゃならないってことか…」
「そのようだな。」
「時計がみつからなければ、先へは進ませてやらないよ!…って、誰かが意地悪をしてるわけだな。」
「そうらしいな。」
「ずいぶんと馬鹿馬鹿しいゲームを考えた奴がいるもんだ。
……でも、あんたは最後までそのゲームをやる気なんだろ?」
「君はやらないつもりなのか?
他になにか策でもあるというのか?」
「いや…策なんてなにもない。
ただ…こんな風に良いように動かされるのが、ちょっと癪に障ってな…
結局は、あんたの言う通り、このゲームを終わらせない限りは、元の世界には帰れないのかもしれないが…本当に帰れると思うか?」
「それはわからないさ…
だが、今は私には選択肢がないように思える。
元の世界に帰れようが帰れまいが、今は私にやれることをやるしかないように思えるのだ…」