「異世界ファンタジーで15+1のお題」一
「あぁ、あぁ、その娘ならここへ来たよ。
もう何日も前のことじゃがな。」
「ほ、本当か!
間違いないんだな!
その娘は、確かにここに来たんだな!」
「わしがもうろくしとるとでも思うとるのか。
馬鹿にするな!
わしは、偉大なる魔法使いじゃぞ!
もっと昔のことでもしっかり覚えとる!」
「わかった、わかった。
疑ったりして、俺が悪かったよ。
あんたはしっかりしてるさ!
それで、その娘はどこに行ったか知らないか?」
「そりゃあ、元の世界に決まっとるじゃろ!」
「元の世界?」
私とセルジュは思わず顔を見合わせた。
この話ぶりでは、やはりこの老婆の言ってることは嘘でも勘違いでもなさそうだ。
本当に、ルシアはここに来たのだ。
「その娘は、あなたに『元の世界に戻りたい』と言ったのですね?」
「その通りじゃ。
その娘は、森を歩いてる時に、突然、この世界に連れて来られたと言うておった。
家族も心配してるだろうし、一刻も早く元の世界に帰りたいと言うて泣いておったぞ。
それで、わしは魔法を使い、娘を元の世界に戻してやったんじゃ。」
「本当に彼女は元の世界に戻ったのか?」
「当たり前じゃ。
わしが魔法をかけたんじゃからな!」
「……その代償に、あなたは何を…?」
私のその言葉に、セルジュが驚いたような顔を向けた。
…なぜ、私がそんなことを口走ってしまったのか、よくわからないが…
おそらくは、子供の頃に読んだ童話の何かを思い出したのだろう。
悪い魔法使いは、願いを叶えてやる代わりに、相手から何か大切なものを奪い取ったりするものだから…
「なに、たいしたもんじゃあないさ。」
老婆は薄気味の悪い微笑みを浮かべた。
「用事はそれだけなのか?
あんたらにも、同じ魔法をかけてやろうか?」
「いや…俺達は遠慮しておくよ。
ありがとう。」
「今夜は遅くなった。
ここに泊まって行くがええ。」
「い、いや…大丈夫だ。
助かったよ、婆さん。
本当にありがとうな。
じゃ、レヴ、行こうぜ!」
「あ…ちょっと、あんたら…」
セルジュに急きたてられるようにして、私達は老婆の家を出た。
もう何日も前のことじゃがな。」
「ほ、本当か!
間違いないんだな!
その娘は、確かにここに来たんだな!」
「わしがもうろくしとるとでも思うとるのか。
馬鹿にするな!
わしは、偉大なる魔法使いじゃぞ!
もっと昔のことでもしっかり覚えとる!」
「わかった、わかった。
疑ったりして、俺が悪かったよ。
あんたはしっかりしてるさ!
それで、その娘はどこに行ったか知らないか?」
「そりゃあ、元の世界に決まっとるじゃろ!」
「元の世界?」
私とセルジュは思わず顔を見合わせた。
この話ぶりでは、やはりこの老婆の言ってることは嘘でも勘違いでもなさそうだ。
本当に、ルシアはここに来たのだ。
「その娘は、あなたに『元の世界に戻りたい』と言ったのですね?」
「その通りじゃ。
その娘は、森を歩いてる時に、突然、この世界に連れて来られたと言うておった。
家族も心配してるだろうし、一刻も早く元の世界に帰りたいと言うて泣いておったぞ。
それで、わしは魔法を使い、娘を元の世界に戻してやったんじゃ。」
「本当に彼女は元の世界に戻ったのか?」
「当たり前じゃ。
わしが魔法をかけたんじゃからな!」
「……その代償に、あなたは何を…?」
私のその言葉に、セルジュが驚いたような顔を向けた。
…なぜ、私がそんなことを口走ってしまったのか、よくわからないが…
おそらくは、子供の頃に読んだ童話の何かを思い出したのだろう。
悪い魔法使いは、願いを叶えてやる代わりに、相手から何か大切なものを奪い取ったりするものだから…
「なに、たいしたもんじゃあないさ。」
老婆は薄気味の悪い微笑みを浮かべた。
「用事はそれだけなのか?
あんたらにも、同じ魔法をかけてやろうか?」
「いや…俺達は遠慮しておくよ。
ありがとう。」
「今夜は遅くなった。
ここに泊まって行くがええ。」
「い、いや…大丈夫だ。
助かったよ、婆さん。
本当にありがとうな。
じゃ、レヴ、行こうぜ!」
「あ…ちょっと、あんたら…」
セルジュに急きたてられるようにして、私達は老婆の家を出た。