「異世界ファンタジーで15+1のお題」一
*
「ルーシー、お祈りは済んだのかい?」
「うん、済んだよ。」
「じゃあ、あっちでちょっと休んでから帰ろうか?」
「うん!」
小さな女の子と若い母親は並んで木陰に腰を降ろし、水筒のお茶を飲んだ。
「母さん、女神様のお話をして。
ルシア様のお話を…」
「ルーシーは、本当に女神様のお話が好きなんだね。」
「うん!」
若い母親は、小さな女の子に向かい微笑むと、ゆっくりとした口調で話し始めた。
「昔、昔、とっても自分勝手で悪い魔法使いがいました。
魔法使いはある日、恋をしました。
それは、とても美しい娘さんでした。
でも、その娘には恋人がいて、もうじき結婚することになっていましたから、もちろん魔法使いの求愛には応えませんでした。
魔法使いはその事にとても腹を立てました。
『おまえ達なんて…こんな世界なんて、永久に動けなくしてやる!』
そんな時、ルシア様は神様の国からこの世界に降りてこられました。
ルシア様は、この世界が動けなくなる直前に、悪い魔法使いを人形の姿に変えました。
そして、この世界が滅んだ後、それを元に戻してくれる勇者の名を叫ばれられたのです。
しかし、それにはたいそう大きなお力が必要でした。
ルシア様はそのまま命を失いました。
そして、世界の時間は停まり、町は死にたえましたが、ルシア様の呼ばれた勇者達によって、見事、元に戻る事が出来たのです!」
「……ルシア様は、とっても強くてお優しい方なんだね。」
小さな女の子は、うっとりとした表情で呟いた。
「そうだよ。
今でも、こうしてこの世界を見守ってくださってるんだよ。」
「あたしもルシア様のおかげで生まれてこられたんだよね?」
「その通りさ。
母さんと父さんで元気な赤ちゃんを授けてくださるようにってお願いしたのをルシア様が聞いて下さったんだからね。
だから、おまえの名前もルシア様にちなんで付けさせてもらったんだよ。」
「嬉しいな!
……でも、ルシア様はなんだか寂しそうな顔してるよね。」
「そうだね…
ルシア様は、本当は神様の国に帰りたかったのかもしれないね…
さ、ルーシー。
私達もそろそろ帰ろうか。
早く帰らないと、日が暮れちまうよ。」
「うん!」
小さな女の子と若い母親は、仲良く手を繋ぎながら町を後にした。
「ルーシー、お祈りは済んだのかい?」
「うん、済んだよ。」
「じゃあ、あっちでちょっと休んでから帰ろうか?」
「うん!」
小さな女の子と若い母親は並んで木陰に腰を降ろし、水筒のお茶を飲んだ。
「母さん、女神様のお話をして。
ルシア様のお話を…」
「ルーシーは、本当に女神様のお話が好きなんだね。」
「うん!」
若い母親は、小さな女の子に向かい微笑むと、ゆっくりとした口調で話し始めた。
「昔、昔、とっても自分勝手で悪い魔法使いがいました。
魔法使いはある日、恋をしました。
それは、とても美しい娘さんでした。
でも、その娘には恋人がいて、もうじき結婚することになっていましたから、もちろん魔法使いの求愛には応えませんでした。
魔法使いはその事にとても腹を立てました。
『おまえ達なんて…こんな世界なんて、永久に動けなくしてやる!』
そんな時、ルシア様は神様の国からこの世界に降りてこられました。
ルシア様は、この世界が動けなくなる直前に、悪い魔法使いを人形の姿に変えました。
そして、この世界が滅んだ後、それを元に戻してくれる勇者の名を叫ばれられたのです。
しかし、それにはたいそう大きなお力が必要でした。
ルシア様はそのまま命を失いました。
そして、世界の時間は停まり、町は死にたえましたが、ルシア様の呼ばれた勇者達によって、見事、元に戻る事が出来たのです!」
「……ルシア様は、とっても強くてお優しい方なんだね。」
小さな女の子は、うっとりとした表情で呟いた。
「そうだよ。
今でも、こうしてこの世界を見守ってくださってるんだよ。」
「あたしもルシア様のおかげで生まれてこられたんだよね?」
「その通りさ。
母さんと父さんで元気な赤ちゃんを授けてくださるようにってお願いしたのをルシア様が聞いて下さったんだからね。
だから、おまえの名前もルシア様にちなんで付けさせてもらったんだよ。」
「嬉しいな!
……でも、ルシア様はなんだか寂しそうな顔してるよね。」
「そうだね…
ルシア様は、本当は神様の国に帰りたかったのかもしれないね…
さ、ルーシー。
私達もそろそろ帰ろうか。
早く帰らないと、日が暮れちまうよ。」
「うん!」
小さな女の子と若い母親は、仲良く手を繋ぎながら町を後にした。