「異世界ファンタジーで15+1のお題」一
「はいよ。」
老婆が、無造作にテーブルの上にお茶を置いた。
「ありがとうございます。」
「さ、セルジュ、君もいただきたまえ。」
そう言いながら、私は老婆に気付かれないようにセルジュに目配せをした。
「あ…あのな、婆さん…
すまなかったな。
どうも、俺、さっきはなにかを勘違いしてたようだ。」
「ほら、見ろ。
やっと自分の間違いに気付いたか!」
「……………すまなかったな。」
セルジュは、感情のこもらない口調で老婆に謝った。
「…でも、なんだか、おかしな気はするのう…
わしはずっと長い事ここに住んどるが、今まで霧なんぞ見た事はなかったはずなんじゃが…
う~む…」
老婆は独り言のようにそんなことを呟いていては、何かを思い出そうとするように頭をひねっていた。
それからの数日間を、私達は老婆の家で過ごさせてもらったが、結局、あの白い霧に出会うことは出来なかった。
*
「どうやら、ここにいても無駄なようだな。」
「そうみたいだな。
しかし、これからどうする?」
「どうしようか…?」
「手掛かりを探すにしても、まったくあてがないよな。
……そうだ。
あの女神像の町に行って、森がどんな風になってるのか見てみようか?」
「そうだな。
とりあえず、今は、これといってすることもないし…そうするか。
それから先のことはまたゆっくり考えてみよう。」
「またグレンの所に戻るっていうのもいいかもしれないな。」
「そうだな…」
彼にはまた面倒をかけることになってしまうかもしれないが、この世界にもうしばらくいるとなると、やはり頼れるのは彼しかいない。
私達は、老婆に謝礼の金を手渡し、ここを離れることを告げた。
「なんじゃ、もう行くのか?
もっとおったらええのに…」
「いや、そろそろ行かなくちゃな。
婆さん、本当に世話になったな。」
私達は老婆に手を振り、家を離れた。
老婆が、無造作にテーブルの上にお茶を置いた。
「ありがとうございます。」
「さ、セルジュ、君もいただきたまえ。」
そう言いながら、私は老婆に気付かれないようにセルジュに目配せをした。
「あ…あのな、婆さん…
すまなかったな。
どうも、俺、さっきはなにかを勘違いしてたようだ。」
「ほら、見ろ。
やっと自分の間違いに気付いたか!」
「……………すまなかったな。」
セルジュは、感情のこもらない口調で老婆に謝った。
「…でも、なんだか、おかしな気はするのう…
わしはずっと長い事ここに住んどるが、今まで霧なんぞ見た事はなかったはずなんじゃが…
う~む…」
老婆は独り言のようにそんなことを呟いていては、何かを思い出そうとするように頭をひねっていた。
それからの数日間を、私達は老婆の家で過ごさせてもらったが、結局、あの白い霧に出会うことは出来なかった。
*
「どうやら、ここにいても無駄なようだな。」
「そうみたいだな。
しかし、これからどうする?」
「どうしようか…?」
「手掛かりを探すにしても、まったくあてがないよな。
……そうだ。
あの女神像の町に行って、森がどんな風になってるのか見てみようか?」
「そうだな。
とりあえず、今は、これといってすることもないし…そうするか。
それから先のことはまたゆっくり考えてみよう。」
「またグレンの所に戻るっていうのもいいかもしれないな。」
「そうだな…」
彼にはまた面倒をかけることになってしまうかもしれないが、この世界にもうしばらくいるとなると、やはり頼れるのは彼しかいない。
私達は、老婆に謝礼の金を手渡し、ここを離れることを告げた。
「なんじゃ、もう行くのか?
もっとおったらええのに…」
「いや、そろそろ行かなくちゃな。
婆さん、本当に世話になったな。」
私達は老婆に手を振り、家を離れた。