「異世界ファンタジーで15+1のお題」一
*
「……ここはどこ?
私は本当に元の世界に戻ったの?」
先程の老婆の部屋とは一変した風景にルシアは戸惑う。
違う場所に来ている事は間違いないが、そこはルシアには見覚えのない場所だった。
あたりを見渡すルシアの目に、一軒の赤い屋根の家が映った。
とにかく、ここがどこなのかを尋ねようと、ルシアはその家を目指して駆け出した。
「すみません。誰かいらっしゃいませんか?」
部屋の中に向かってルシアは声をかけたが返事はない。
耳を澄ますと、奥の部屋で何者が言い争う声が聞こえる。
ルシアは恐る恐るその声の方へ歩いて行った。
「おまえ達なんて…この世界なんて…」
部屋の中には三人の男女がいた。
「誰だ!おまえは!」
敵意のある声が飛んだ。
黒いローブの男がルシアに気付き、なにやら不気味な呪文を唱え始めた。
「あぶないっ!逃げて!」
女性の叫び声に、ルシアはとっさに姿見の後ろに身を隠した。
「あぁぁぁぁぁぁーーーーーーっっ!!」
男の指先から光りのようなものが噴き出し、それが姿見に当たって男の身体に反射した。
それと同時に、男は地の底から響き出すような苦しげな叫び声をあげ、男の身体が足元から人形の姿へと変わっていく…
ルシアがその怖ろしい光景に立ち尽していると、ミシミシといういやな音が耳に届いた。
(この音は…?!)
ルシアの思考を打ち破るように、彼女の目の前の鏡が軽い音を立てて割れ、その破片が弾け飛んだ。
「うっ…」
鋭く尖った鏡の破片はそこにいた男女の身体を貫いた。
二人は、最期の言葉を口にする間もなくその場にばったりと倒れ込んだ。
きらきら輝く鏡の破片の根元から、真っ赤な血が噴き出しあたりを血の海に変えて行く…
「ち…畜生…おまえのせいで…」
腰のあたりまで人形に変わった男が、搾り出すような声で不気味な呪文を唱えている。
「い……いやぁぁぁ~~~~!
レヴさん、セルジュさん助けてーーーーー!」
ルシアの絶叫が部屋の中に響いた。
恐怖で動かない足を必死で動かし、ルシアは部屋を出た。
(逃げなくちゃ…
レヴさん達の所へ戻らなきゃ…)
震える身体で…うまく動かない足で、ルシアは懸命に外を目指した。
ここがどこかもわからないまま、ルシアは歩いた。
ただ、あの怖ろしい家から少しでも遠くへ離れたいと思いながら…
やがて、世界は唐突に時を止めた…
「……ここはどこ?
私は本当に元の世界に戻ったの?」
先程の老婆の部屋とは一変した風景にルシアは戸惑う。
違う場所に来ている事は間違いないが、そこはルシアには見覚えのない場所だった。
あたりを見渡すルシアの目に、一軒の赤い屋根の家が映った。
とにかく、ここがどこなのかを尋ねようと、ルシアはその家を目指して駆け出した。
「すみません。誰かいらっしゃいませんか?」
部屋の中に向かってルシアは声をかけたが返事はない。
耳を澄ますと、奥の部屋で何者が言い争う声が聞こえる。
ルシアは恐る恐るその声の方へ歩いて行った。
「おまえ達なんて…この世界なんて…」
部屋の中には三人の男女がいた。
「誰だ!おまえは!」
敵意のある声が飛んだ。
黒いローブの男がルシアに気付き、なにやら不気味な呪文を唱え始めた。
「あぶないっ!逃げて!」
女性の叫び声に、ルシアはとっさに姿見の後ろに身を隠した。
「あぁぁぁぁぁぁーーーーーーっっ!!」
男の指先から光りのようなものが噴き出し、それが姿見に当たって男の身体に反射した。
それと同時に、男は地の底から響き出すような苦しげな叫び声をあげ、男の身体が足元から人形の姿へと変わっていく…
ルシアがその怖ろしい光景に立ち尽していると、ミシミシといういやな音が耳に届いた。
(この音は…?!)
ルシアの思考を打ち破るように、彼女の目の前の鏡が軽い音を立てて割れ、その破片が弾け飛んだ。
「うっ…」
鋭く尖った鏡の破片はそこにいた男女の身体を貫いた。
二人は、最期の言葉を口にする間もなくその場にばったりと倒れ込んだ。
きらきら輝く鏡の破片の根元から、真っ赤な血が噴き出しあたりを血の海に変えて行く…
「ち…畜生…おまえのせいで…」
腰のあたりまで人形に変わった男が、搾り出すような声で不気味な呪文を唱えている。
「い……いやぁぁぁ~~~~!
レヴさん、セルジュさん助けてーーーーー!」
ルシアの絶叫が部屋の中に響いた。
恐怖で動かない足を必死で動かし、ルシアは部屋を出た。
(逃げなくちゃ…
レヴさん達の所へ戻らなきゃ…)
震える身体で…うまく動かない足で、ルシアは懸命に外を目指した。
ここがどこかもわからないまま、ルシアは歩いた。
ただ、あの怖ろしい家から少しでも遠くへ離れたいと思いながら…
やがて、世界は唐突に時を止めた…