あの夏よりも、遠いところへのレビュー一覧
スミレちゃんがお兄ちゃんである蓮くんを思う気持ち。 小雪ちゃんに嫉妬する朝日ちゃん、朝日ちゃんに嫉妬する小雪ちゃん。 そして、蓮くんと朝日ちゃんが想い合う、2人の気持ち。 人の関係って、難しいところもあるけれどこんなに素敵なことになったりもするんだな、と思える作品でした!
蓮と朝日の、真っ直ぐな、純粋な、切ない、苦しい、腹立たしい、愛おしい…そんなたくさんの愛の気持ちが伝わってくる素敵な作品。 それは他の登場人物にも言える事で、想いが複雑に絡み合っているのに、それらを上手く表現しているので、とても読みやすい作品でした。 また、気持ちが変化していく過程をとても丁寧に描いているため感情移入しやすく、2人を応援せずにはいられませんでした。
とてもきれいで丁寧な描写で、 このお話の世界がスッと頭のなかに広がりました。 蓮、朝日、サヤ、小雪、陽斗、スミレ。 たくさんの登場人物が複雑に絡み合っていて、とても読みがいがあって。 『すき』にはたくさん種類がある。 だからこそ、それぞれの思いは 切なくって、胸がきゅうっとして。 ……うまく言葉にまとめられません。 でも、とにかく透明感があって。 そして、青春だなあって思いました。 17歳、素敵です。 読み応え抜群でした!
---恋は落ちてくる。 そう...目の前に突然現れて... 俺のすべてを奪っていった... ---奇跡が落ちて広がる。 彼は息をこぼして笑った わたしは泣きそうになった... わたしの大嫌いな世界を背に照れながら笑う彼... その奇跡のような笑顔が眩し過ぎて... とても面白い作品でした★ ピアノを通じて繋がっていく少年少女の物語は運命とか奇跡を信じてみたくなるような気持ちにさせてくれる作品でした★ 読み進めていくと見えてくる、登場人物達それぞれの想いにも感動できます! 本当に最後まで面白い素敵な作品でした(*^^*)
17歳。大人じゃないんだけど、もうこどもでもないような。 成長の途中。 辛いこと、理不尽なことがたくさんあったけど。 ──奇跡は、起きた。 ピアノの優しい音色が聞こえてくるようでした。 登場人物のそれぞれがそれぞれに悩んでいて、前へ進もうとしている。そんなみんながとても愛しく思えます。 素敵な、奇跡。ありがとうございました。
幼いころの初恋に囚われたままの少年。 淡い初恋を口に出来ないままの少女。 それぞれが、それぞれの思いを抱いている。 不満に思ったり反抗したり、それでも笑ってみせたり。 登場人物全員が、些細な、だけど大きな問題を抱えていて、泣いたり笑ったり。 一歩を踏み出すには、泣くことも必要なのかもしれない。それがあってやっと、終わりが訪れるのかもしれない。そしてそれは一人では出来ないのかもしれない。 そんなことを感じました。 くすんだ世界。そんな風に見えることもたくさんある。 だけど、空を見上げたら、そうでもない日もたくさんあるよね。 登場人物全てが愛おしい。 とてもとても、温かい作品でした。
嫌いな世界で、生きてる。それでも好きなもの、信じられるものを見つけて、掴める。奇跡ってあると思う。 自分がこの子達と同じ歳の頃、そうだったかもしれない。真っ直ぐで純粋で楽しさ悲しさたくさん持ってて、小さい胸に抱えて。 サヤの亡霊は、全部を空から繋げたんだなあ。そんな風に思いました。 それぞれの視点がとてもしっかり書かれてあって、繋がりが自然。 読んでて、こいつ最低だって思った人物も居たけど、それって綺麗事だけじゃないから。きちんと包まず書いてるからです。 わあ、きゃあ、好き!そういうのだけじゃない感情も引き出される。それって凄いと思います。 美しく流れる、ショパンの調べに乗せて紡がれる、青春。 他の作品も読んでみたいなあ、そういう風に思う作家様です。
17歳。たった17年間の歩みの中でも、大声上げて泣いたほどの後悔や胸の中に閉じ込めていた想いの理由はみんな違う。 青春というのは苦くて、甘酸っぱくて、ときには塩辛くて、脆くて、理不尽で、眩しくてきらきらしてる。 そんな日々を精一杯駆け抜けて、どこかで失敗してしまってもいいと思う。過ぎ去ったからといって、忘れてしまわなくてもいいと思う。 思い出っていつもきれいなわけじゃないけれど、こんなに愛おしいんだ。大切なんだ。涙が出るんだ。ページをめくりながら、もうずっと前に過ぎてしまった17歳の頃に思いを馳せました。 もう子どもじゃない、けれど大人にもなりきれない。もどかしくてたまらない、けれどかけがえのない日々が、私たちにもきっとあったのだと。 彼らの愛するショパンを聴きながら、私も一緒に彼らの未来へと泳いでいきたくなりました。 素敵なお話をありがとうございました。
青春、17歳の時期って。まさに空を泳ぐという表現がぴったりだと思います。 どこまでも続いている広い世界。綺麗なものだけが溢れているわけでもない。 理不尽なことも、納得出来ずに分かり合えないことも、たくさんあるでしょう。 進むことさえ、その場に居ることさえ息苦しくもなる。だけど真っ暗な世界にも、必ず朝日は昇ってくるのです。 そんな光の名前を持つ彼女と、切ない思い出に合わせて綺麗な音色を奏でる清らかな名前の彼。 2人の生きてきた道で、ひとつひとつ起きた奇跡。それはまた、彼と彼女が出会うことで奇跡を呼び起こす。 小さくても、重なればとても大きな奇跡。難しい時期を生きる彼らには、それは希望であったように思えます。 大丈夫、彼らなら溺れはしない。溺れているつもりでも、きっと不恰好なりに泳いでいるよ。 だって2人の手は、今繋がれたのだから。
思わず目を眇めてしまうような眩しさと包むような温かさを併せ持つ光があるお話でした。 世界は理不尽に塗れてると、だからこの世界は嫌いだと、そう言った朝日ちゃんの瞳は透き通るように真っ直ぐ純粋に、世界を見つめているのでしょう。 初恋の人を忘れられず、ずっとその人の生まれた意味としてピアノを弾き続けてきた連君もまた、真っ直ぐで純粋で。その繊細さと綺麗な想いが溢れたピアノを奏でるのでしょう。 そんな二人の奇跡は青春を思わせるには十分でしたが、今同い年の私は青春を謳歌しているかと聞かれるといまいちピンときません。きっとまだ眩しい光の中を走っている真っ只中だから気付かないだけで、何年も走り続けた先で振り返った時、あんなに眩しい時代があったのだと懐かしく思うのだと思います。17歳が過ぎてしまった人も二人と同い年の人も、まだ年下の人も各々に17歳という時間を鮮烈に伝えてくるのではないでしょうか。
恥ずかしながらクラシック音楽にはまったく詳しくありません。 だからこそ、この作品の中で幾度となく奏でられたピアノの音を彼らと一緒に聴けなかったこと、それが心底悔しかったです。 でも、それでも胸を張って言いたいのは、その音を奏でて聴いた彼らの見続けた世界は、きっと確かに淀みなく伝わっているっていうこと。 ピアノとバスケ。出会って繋がった先の小さくて大きな奇跡。 歪なようで何よりも純粋だった彼らの愛情に、心揺さぶられずにはいられませんでした。 いろんなものがぐちゃぐちゃと混ざり合って、でも芯は透明で真っ直ぐな心の声。等身大のそれが繊細な言葉で紡がれていて、読んでいる間はわたしもずっとその色と音の中にいました。 17歳という年齢って、とても特別だなあとなんとなく思います。 今彼らと同じ年齢の方はぜひ読んでほしい。そしてもちろんわたしと同じく、元同い年の皆さまも。
めちゃくちゃ感動しました! 終始胸が苦しくて、ラストはそれが無事に解放されたような気分です。 このお話の主人公はふたり。 朝日ちゃんと蓮くん。 それぞれの過去、忘れられない人に束縛され、苦しんで苦しんで、出会った奇跡。 心から幸せになってほしいなって思いました。 ……上手く言えないのがもどかしいです。 読んでみるのが早い気がします。 きっと忘れられない物語になります。 みなさんも読んでみてください。
この作者さん、なぜもっと早く読まなかったのか!後悔するくらい、素敵で魅力あるお話。要約が難しいお話なんて、なかなか出会えません。 とても辛い過去と、厳しい現実をちゃんと受け止めようとして、少し心を曲げながらも、生きている男子。女子。彼の、彼女の一挙一動に、心をゆさぶられる。文章に、青春をまるごと投入してるみたい。 淡い好き。名前のつけられない好き。狂おしいほどの好き。そうだよ。好きってほんとに色んな種類があるんだよなぁ。そのかき分けが、もうほんとに見事。青春の絵の具をワッと広げた疾走感はあるのに、文章は繊細で。真っすぐな想いに、ときめかされる。 清見の「だぜ」がすごく好きだ。清見も、朝日も、小雪も、登場人物みんなみんな大好き!小説のキャラクターにここまで入れ込めるとは思わなかった。 大切にしたいお話が増えました。今度は、出てきたピアノ曲を聴きながら読みたいです。
素敵なおはなしでした。 ふたりがそれぞれの過去を思いつつ踏み出せず、その過程が丁寧にえがかれていました。 また、過去から未来へ一直線に続いていく様子が綺麗に書けていたと思います。 自信もっておすすめします!