戯れる堕天使
言って、悟は、お客さんの中を泳ぎだす。

顔見知りに、いちいちにっこりお礼を言う。

あたしの『神』が。

みんな、ニコヤカに。

時には、悟に抱きついて、挨拶をしあう。

・・・無理だ。

あたしには、理解できないな。

類はくらくらした。

だって、自分と同じ階層に引降ろすことが、先ず、出来ない。

・・・さっきは思わずやったっけ。だけど。

何人も何人も挨拶して、

やっと悟は類を振り返った。

「終了。・・・オレ、何か、嫌なことしてたかな」

「え?」

「かなり、距離をとってそばにいたから、類」

「そう・・・かな。・・・そうだな。

邪魔しちゃいけないかなって。あと、ちょっとひいてたかも」

「ひかれてたか・・・」
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