戯れる堕天使
「悟さんにじゃないよ。

よく、悟さんに、あんな普通に接することが出来るなって。

うわ~さっきステージの上にいたヒトじゃないか~って思ったら、

あたし無理だもん」

「オレとしては、ステージにいたのも、今いるのも、

ただの、オレなんだけどね」

類はふるふると頭を横に振った。

「違う違う。なんかもう・・・あ、そばに来ないでくださいね。

遠くから見させてもらうだけでいいです。って感じ。

あ、でも、見えるところにいてください」

「そういう、面倒な距離感を要求されるんなら、オレもう、

どこかに行っちゃうけど」

「ええっ。それは、嫌だ」

「じゃあ」

悟が一歩こっちに来る。

”近く”に感じる距離。

もう一歩、こっちに来る。

”すぐそば”の距離。

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