戯れる堕天使
「・・・オレ、充分若いと思うのに、その年齢に、
負い目を感じないといけないことがあろうとは。
何だって、そんなに若い相手に、
こんなこと頼まなきゃいけなくなったんだろう」
類は、悟を見た。
ええと・・・。
悟がくるりと背を向けて、出口に向かいだす。
類は、思わず、同じ様に歩き出す。
分厚いドアを押し開けて、悟は振り返った。
類が後ろにいることを確認して、ほっとした顔をした。
外に出る。
ライブハウスの雰囲気から、抜け出せる。
空気のよどんでない空間。
「オレね」
言ってから、悟は類を振り返る。