戯れる堕天使


何で?



上から、声がした。

類を呼ぶ声。

「あれ?中に入っちゃった?」

悟の声。

引き返してきたらしい。

やっぱり目が開かない。

このまま気絶するのだろうか。

そのほうがいいや。

耐えるには痛すぎる。

「るっ、類っ!!」

悟の声がした。

「どうしたんだ!!」

「・・・わか・・・らない」

ああ、喋れるんだ。思った。

猛烈に痛みが走るけど。

悟は、一瞬でそばに来たらしい。

「どこ打った?頭は?」

頭だけは打ってないようだった。

少なくとも、強打はしてない。

「・・・頭・・・大、丈夫・・・でも、全身・・・打った。痛、い」

目が開かない、そのまま、類の意識は閉じた。



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