可憐な華にくちづけを





「っ…これで、俺が帰ったら―――きーえちんはもう二度と会ってくれないっ。」


ズクンっと胸が刺された。






昔から聖司は人の痛いところを簡単に射突く
これが嫌われる理由だ。

それを彼の良いとこだと思っていた私は馬鹿だったみたいね?




こんなにも、傷つく。





心の中が他人に本人に知られるのが一番嫌だわ。






「っ…。」


「やだよ…俺っ!」


「ッハ…ん。」



―――こんな時に、






「きーえちん、俺っ」
















コンコンと気持ちのいいノック音が響いた





「―――失礼します。」





透き通る綺麗な声も。






< 106 / 164 >

この作品をシェア

pagetop