可憐な華にくちづけを
「っ…これで、俺が帰ったら―――きーえちんはもう二度と会ってくれないっ。」
ズクンっと胸が刺された。
昔から聖司は人の痛いところを簡単に射突く
これが嫌われる理由だ。
それを彼の良いとこだと思っていた私は馬鹿だったみたいね?
こんなにも、傷つく。
心の中が他人に本人に知られるのが一番嫌だわ。
「っ…。」
「やだよ…俺っ!」
「ッハ…ん。」
―――こんな時に、
「きーえちん、俺っ」
コンコンと気持ちのいいノック音が響いた
「―――失礼します。」
透き通る綺麗な声も。