可憐な華にくちづけを





「さぁ、貴絵お嬢様…もうお休みください。」


スッと私の額にひんやりとした冷たい手が触れた。






「れん…、」


「何か…お飲み物でも…、」


「いらないわ…ただ、」







―――もう少し、このまま。











「…下がってけっこうよ。」




こんな言葉しか私は言えない

可愛くない女。









「それでは、ここに居ますね。」



「…えっ?」



柔らかい物腰 いつもと違う

こんなにも…柔らかい雰囲気だった?













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