可憐な華にくちづけを





「…あなたが、信じてくれるのなら。」




表情は読み取れない








「信じてくれるのなら、私はあなたに従います。」






泣きそうになった。


これも次期王女の宿命。




誰も…そう、そうなのよ。


自分の意思もなにも無いのだから

誰も私に従って
誰も私に感情を持たない













「そう…ありがとう。」


「……。」


「お休み、蓮。」





「…おやすみなさい。貴絵お嬢様。」






悲しい声が響いた。






< 115 / 164 >

この作品をシェア

pagetop