可憐な華にくちづけを
「それで…どうだった?」
「何がだ。」
赤い苺の唇はにんまりと笑った。
「彼女だよ。…どう?僕よりも相応しい?」
「…何故そんなことを聞く?」
「何故って?そりやぁ…」
「おーい、話はそこまでにしろ。」
体格の良い優しげな雰囲気の男
何を聞き出すなと言わんばかりの迫力。
「ふんっ…おい帰るぞ。」
「えぇ~!?もう帰んの?せっかくだし話とか聞こうよ~!!」
「だったらお前だけ残ったらどうだ。」
「ったく、つれねぇなぁー大使殿。」
「じゃあ、また。用があったらこちらから伝達するよ。」
「ぁーい。」
「大使館。」
「……。」
ぴたりと足が止まる。
「────僕は誰よりもあの国が欲しいんだ。」