可憐な華にくちづけを





「いえ…なにも。」


「僕に隠し事かい?」


「……。」


「お前もあのお姫様がいいの?」


「……。」


「…ハル。」


「お前は黙ってるんだ。」



低い声は彼を拒む。




「蓮、……お仕置き欲しい?」


「っ…!」


「痛いのは誰だって嫌だよね?」


ぶっつんと鈍い音

足に刺さった小さなナイフ



「っぁああ!!──」


「ふふっ、」




不気味な笑い声。





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