可憐な華にくちづけを





「ねぇ、蓮…僕はこんな傷すぐに治せるよ?」


「はぁはぁ…っ、」



足に刺さった小さなナイフは深く滑り混む

目の前の人物が体重をかけ乗せているからだ

楽しむように。




「っ…ハルさん、やめっ…!」


「やめて欲しい?でも嫌だ。」




倒れ混む蓮に小さなキスを落とした

───彼女と、同じ頬の場所に。




「やめろっ!!!」



ドンッと突き飛ばしてしまった。


「ハル!!!」


足場が崩れたハルを彼は助け何とか転ばすに済んだ。




「ふふっ!!はははっ!!!!」


「あっ……。」


「ふふっ…あぁ、滑稽だよ蓮。まさか君がここまでお姫様に夢中とは。」


「ちがっ…!」


「お仕置きが必要だね?」



赤い唇はにやりと笑った





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