可憐な華にくちづけを





────「ねぇ、死ぬの?」


死ぬ間際に見えた小さな子供




────「死ぬなら、頂戴。」




この人は死の恐怖が大きい。





────「君の命、僕に頂戴?」



小さな綺麗手を伸ばされ、

ゆっくりと自分も手を伸ばした。








────「蓮、蓮の華のように君は美しい。」




素敵な名前はとても気に入った。

生きている証を貰った。





────「蓮、」






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