可憐な華にくちづけを
「本気?」
今まで出たことのない冷たい声を発した。
「候補はたくさんだ。選べばいい…あぁ彼も候補に挙げといた、」
彼───?
「誠司君だよ。彼は最近素晴らしいじゃないか、国のためにとても良く働いてくれているよ。」
「……。」
誠司は…どう感じたんだろう
もちろん彼の気持ちは知っている
嬉しかったのかしらね…、
スッと何かが失っていく。
「貴絵?」
「……。」
「貴絵お嬢様っ…、」
「もう、いいです。」
「どういうことだ?」
「もう、好きにしてください。」