可憐な華にくちづけを





「本気?」


今まで出たことのない冷たい声を発した。



「候補はたくさんだ。選べばいい…あぁ彼も候補に挙げといた、」


彼───?



「誠司君だよ。彼は最近素晴らしいじゃないか、国のためにとても良く働いてくれているよ。」


「……。」



誠司は…どう感じたんだろう

もちろん彼の気持ちは知っている

嬉しかったのかしらね…、


スッと何かが失っていく。




「貴絵?」


「……。」


「貴絵お嬢様っ…、」


「もう、いいです。」


「どういうことだ?」


「もう、好きにしてください。」




< 150 / 164 >

この作品をシェア

pagetop