可憐な華にくちづけを





───────



無我夢中で目標もなく走り続けた

愛馬さえもきっと私の行動に異変を感じているはず。



「っ…。」




このまま逃げ出したい────

そうすればこの呪縛から解き放たれる。


「…なんてねっ、」



馬鹿馬鹿しい…ほんとに、

馬鹿みたい。




「はぁはぁっ…っは、」



───苦しい。




こんなところで発作なんてっ…。

きゅっと手前に手綱を引き止まらせる。






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