可憐な華にくちづけを





「やっ!ヒュ、はぁはぁっ、こなっはぁ!!」


「喋るな!!羽鳥は降ろせ!!」


「お、おうっ…!!!」



触られる身体に拒絶反応。



「っ、と…悪いねお嬢様、風ちゃんの命令だからさそれに心配すんな風ちゃんは医学の成績は首席だぜっ?」


すんなりと私を馬から降ろした

みっともないっ…!!!こんなっ…こんなっ!!!




「はぁはぁはぁ、やっ…ヒュっはぁ!!」


「落ち着け、呼吸を整えるんだ…焦るな、ゆっくり…吸って、吐け……」



すっ──────


「そうだ、ゆっくり…吸って、吐く前に一瞬止めろそして吐け…そうだ、うまい…。大丈夫だ自信をもて、ゆっくり、少しずつ、」



目に涙が溜まった

こんなにも苦しいのに死ねない

みっともない姿を見られたのなら死んだ方が、



「おい、余計なことは考えるな…ゆっくり呼吸しろ…。」



さらっと髪を撫でた手があまりにも優しい。





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