可憐な華にくちづけを

My favorite person








「お帰りなさいませ、貴絵お嬢様。」



すぐに藤原が手続きしたんだ
その結果が目の前の様子

わたしのお気に入り。




「ふふっ、よろしくね?」

「私事ですが、本当に宜しいのですか?」



やはり、彼の表情は崩れない
急なことでも。




「あなたはこれから、わたしに付いて貰う。ただそれだけのことよ。」




さらっと、言って見せたが
藤原以外でわたしのわがままを堪えた人物は

誰一人として、いない。



彼はどこまで堪えられるのかしら。





「さぁ、お夕食の準備して?」


「かしこまりました。」



深々と礼をする彼に優越感を得る
それと共に、自分に対する不快感。

嫌気がさすわ。





「貴絵お嬢様、」


「なによ、」


「先に湯につかったらどうですか?」


「臭うかしら…?」


洗ったばかりのはずだったのに
藤原のミス?





「はい、――――…男物の香が。」





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