可憐な華にくちづけを
夕食に関してはとても満足した。
最近のシェフは何故か偽者のような
油脂だらけのフォアグラのソテーを出して
自慢気に私に料理の説明をしてきた。
それが今回は日本の食をモチーフとした前菜からデザートまでのフレンチのようなもの。
最後の餡蜜はとてもサッパリしていて
私のお気に入りかもしれない。
「アナタ、やるじゃない。」
「ありがとうございます。」
私が気分で誉めてあげても蓮は表情を崩そうとはしなかった。
藤原ならものすごく驚いて心配してきそうだわ。
私って本当に藤原に馬鹿にされているわ
後でキツく言わなきゃならないわね?
だけど一度もキツく言ったことはない。
「嫌なヒト、」