可憐な華にくちづけを
「あ、そうだわ…今度友人をあなたに紹介するわ。」
「私に…?」
「えぇ。犬のような人よ、手慣らせば上手くいくわ。」
あいつは、あまりにも男という生き物に
愛想を振り撒かない。
小さい頃だって藤原を敵対していたし
馴れるにも少し時間が掛かった気がする。
しかも今回はわたしのお気に入りのわけで
良い印章を与えない。
「あまりにも軽率な態度をとるようなら、すぐに部屋から出ていくのよ。」
「―――…それはなりません。」
――――びっくりしたわ、
張りのある声と太い声。
冷製で淡々とした彼の態度から
そんな声が発せられるとは思ってなかった。