可憐な華にくちづけを
「隣国との対面?」
「正式にはの舞踏会さ。ただ、そこには隣国の外交官…確か特命全権大使、奴が現れる。」
「ふぅん…初耳だわ。」
「貴絵はもう少し政治について学ぶべきだな」
ははっ、と気さくなく笑う目の前の王
今回の企みはなんとなく……、
「そこで貴絵には、その大使様に挨拶をしてきてもらいたい。」
「…お父様は?」
「私がそのような舞踏会に出るとでも?」
――――この国の王。
「私がその者にご挨拶をなさればいいのですね?」
「それだけでいい。後に新調したドレスを仕立てよう。」
何てめんどくさい役目。