可憐な華にくちづけを





「それでは私は先に失礼するよ、」


「お仕事ですか、」


「ああ。行ってくるよ、たった一人の愛娘。」





ちゅっと頬にキスをされると私も返す
これで気がすんだお父様は直ぐ様に姿を消した。





「―――…藤原。」


「もう、私では無いですよ。」


「…蓮。」


「はい。」



「直ぐに朝食を変えて。」


「かしこまりました。」





ひとつも朝食に手をつけない私を
きっと中のシェフは不満に思うはずだわ、

でも、こんなもの


朝から食すことできるわけないでしょう?






「嫌な役目ね、」


「お嬢様、後にお部屋に資料を持っていきます。」


「目は通さないわよ。」


「……。」


「…わかったわ。」




この感じ前にも何回かあった気がするわ
これも、藤原のペースなのが

私を腹立せるのよ。









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