可憐な華にくちづけを
「今日、ホールの広場で集まっていると思います。一人一人にご挨拶なさいますか?」
「なぁに、そんなこと?するわけないでしょ、そんな面倒なこと。」
どうして私がそんな面倒なこと
一体、何人居ると思っているのよ?
「…藤原、」
「なんですかお嬢様。」
「……後でよ、後で顔合わせぐらいしてあげるわ。今日は家を出ますから。」
ふんっとした態度を見せると満足気に微笑み頷いた。
さっきからのほんの少しの威圧に
私がそんなので怯えると思っているのかしら!?
存外よ。
「何時からでしょうか?」
「けっこうよ、迎えに来るから。」
「そうですか…では、失礼いたします。」
綺麗にお辞儀をするとさっさと出て行った。
「ほんとうに…喰えない人。」
お父様の長年のお気に入りのわけよ。