可憐な華にくちづけを
部屋を出ると辺りには見覚えの無い顔
この人達が 藤原の選んだ人材か。
別に前と変わらない、
「あっ…貴絵お嬢様!わたしっ、」
「けっこうよ、私急いでるの。」
「お気をつけて行ってらっしゃいませ。」
頭を下げて表情を確認することができない
だけどきっと、ムカついているはずよ。
わがままお嬢様、ってね。
玄関に向かうだけで何人も、何人も、
藤原の仕業だわ、絶対に
ほんとあの人はいつも私で遊んでいるんだから
あの憎たらしい微笑みが苦手
なに考えてるのか全く分からなくて
腹が立つ。
「考えているだけ無駄だわね…」
「貴絵お嬢様。」
ーーーーフッ、と耳元にかかる吐息 体温
背後に立つ急な人の存在、
「やっ…!!」