可憐な華にくちづけを





「エニー様、本日は貴絵お嬢様の舞踏会のためのドレスをお願いしますね。」


横からフォローをしたのは藤原
本来の目的はそれね。



「んっ…嗚呼、まかせない。たっぷりと採寸して美しい華やかなドレスを仕立てて上げるわ!」


にんまりと私の方を見て笑った
ぞくりと背中が寒気を帯びたのは秘密ね。






「色やデザインに希望は?」


「なんでもいいわ。」


「華やかなドレスをお願いします、後はエニー様のセンスにお任せいたします。」



藤原は本当に横から出てくるわよね
うるさい人。





「ふふっ!任せない!!…ほら、野蛮な男共は出ていきなさい!」


「きーえちん!楽しみにしてるから!!テラスで待ってるね~」


「えぇ、蓮…聖司を頼んだわよ?」


「いえ、私はここに残りますよ?」




澄んだ声ではっきりと言い放つ
周りの空気も静まり返った。













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