可憐な華にくちづけを
ここは私の部屋 誰も近寄らない
藤原の姿も気配も感じられない
蓮だって分かるわ、
だから、お願い。
「蓮っ…」
「…貴絵お嬢様、」
困ったように眉を下げ、少し息を吐く
ダメ、かしら。
「……どうぞ、余り抱き心地は良くないですが、」
受け入れるよう少し遠慮がちに手を広げた
その行為に嬉しくて、
泣き出しそうになる。
「っ…、」
ゆっくりと背中に手を回すと蓮も優しく腰に手を回し私を包み込んだ。
聖司よりも体つきは細い
けど、ゴツゴツとしていて、やっぱり男性の身体なんだと実感した。
「落ち着く…香りね、」
「貴絵お嬢様の香りもとても、落ち着きます。」
首もとに顔を埋めるとぴくりと反応し、
眉を寄せて私の方を見た。
あらっ、ここ…感じるのね?
「ふふっ、ごめんなさい?」