可憐な華にくちづけを
――――
「聖司。」
「あーねぇ、聞いて聞いて~蓮ちゃーん超かわいーのっ!!」
「……。」
「女の子みたいでねー細くて萎びやかでー何かちょっと、色気あってさー」
「聖司、」
野太い太い声で話を遮った。
「…やだなぁ、高山。」
「聖司、そいつ」
「ああーもう、だから貴絵の周りに居る奴は嫌なんだよ。」
はぁっとため息をつき、くしゃりと金色の髪を掻き上げた。
「―――身元、不明なんでしょ?」
「しかも、その『蓮』というものも嘘だ、」
「どういうこと?」
「あいつの名前は本名はなんなんだ?」