可憐な華にくちづけを
馬車から降りるときに手を差し伸べた聖司
その瞬間から顔付きが変わった。
コイツなりに何か決心したのかしら
いつもの脱力感のある雰囲気は無くなった。
だったら私もやらなきゃならないのかしらね
「はぁ…、」
きゅっと口元を引き締め背筋を伸ばした
「このドアを開けたらきっと、周りの男や企んでる奴、沢山いるから…きーえちん。」
目の前のドアは大きく重たそうで
今の私の心そのもの。
「行くわよ。」
「もぉー…ま、行こっ!」
ギギッと鈍い音ともに歓声が聞こえた。
眩しい光とともに。