可憐な華にくちづけを
「…藤原、」
「はい。」
「見てたわね?」
「何をでしょうか。」
あんなにも気配を漏らしていた藤原に
気づくはずないわ。
わざとらしく 面白そうに
外から観覧してたんでしょう?
「ほんと悪趣味よ。」
「ありがとうございます。」
だけどものすごく機嫌が良い私は
そんなもので怒ったりしないわよ?
だって、見つけたから。
私のお気に入り。
「藤原、あの『蓮』と言う者をこれからあなたじゃなくて彼にしなさい。」
「寂しくなりますね…分かりました。」
「ふふっ、楽しみなくせに。ほんと悪趣味にもほどがあるわ?」
「何のことでしょうか。」
人材を選んだのは藤原、ただ一人だけ
こんなことを予想していたのか
面白いことだけに
藤原はどんなことでもやってみせる。
「怖い男ね。」