守りたいモノ


「それでもさ、
どうすんだよ。
敵が何人いるかも分からない、
本拠地も分からない、
目的は確かー…。」

「「魔界と天界の繋ぐことを
阻止することー。」」

黒玄の台詞を
横取りするように
紅と蒼はそう言った。

「横取りすんなよな。
まぁ、とにかく、
分かってることが少なすぎる。
それなのに、
動き始めるのは無謀すぎる。
早く解決するのは賛成だが、
もう少し調べた方が
俺はいいと思うけどな?」

黒玄は
スラスラと一気に言うと、
珈琲を一口飲んだ。

「…そんなこと、わかってる、
分からないから
こちらが動くんだよ。
あちらさんに
動いてもらわないと
正体を掴むに掴めないし、
それとも、
今まで調べた結果がこれ、
1ヶ月、何一つ分かってない。
そうでしょう?」

ジュリアは
少し苛ついたように
軽く机を叩いた。

「もうあまり時間がない。
あちらさんも
それは一緒なはず、
だから、こちらから動くの。
黒玄、お願い、
力を貸して…?」

ジュリアは
黒玄を真っすぐに見つめた。

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