饅頭先輩と愉快すぎる俺たち
「前に聞いたけど、饅頭先輩って先輩たちも名前知らないらしいよ」


「マジかよ、それ」


「いや、絶対嘘でしょ」


「じゃあさ、俺たちで饅頭先輩の名前暴こうぜ」


「暴こうとか、そんな大層なことじゃないだろ」


「いや、先輩たちが誰も知らないなら、十分に大層なことだろ」


「でしょ」


「じゃあさ、ちょうど二年全員いるし、今日から俺たち『饅頭同盟』な」


「ちょっと、それウケるんだけど」


「マジでだっせえ名前」


「いや、このだささが良いんじゃねえの」


「よっしゃ、誰かが名前を知った時点でこの同盟は解散、目標は早期解散な」


「早期解散が目標の同盟って、何だよ」


「ちょっと・・・」


「もう、そのくだりはいらねえよ」


「『饅頭同盟』結成だ」


「おーっ!」


大学生の勢いとは怖い。

そのことがくだらなければくだらないほど、その勢いは増していく。

青春とはそんなものである。
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