【続】苦いコーヒーと甘いココア 〜バレンタインデー編〜

もおぉぉ〜と唸る私の頭をぽんっと撫でる。

「……ずるい」


それだけで私の機嫌は治ってしまうなんて、

自分でもちょっと不思議。


「さあ、そろそろ出かけなきゃ遅れんぞ?」

「うぅ…そうだね、行かなきゃ…」

しぶる私の耳元でそっと春樹は囁く。

「チョコ、楽しみにしてるからな」



そう今日は、バレンタインデーなのです。

ちなみに私の誕生日でもあります。


「ねぇ、晴樹、会社の美しい女性だからって貰わないでね!」


晴樹、モテるもんなぁ…。


「んー、どうしよっかなぁ〜。」


そういって、口元を緩ませる。

いつもはそんな顔しないくせに。



晴樹のばか、あほ。


心の中で毒づきながら靴を履いて、

玄関の扉に手をかける。



「うそ。鈴だけを愛してるよ。」

そう言ってキスを落とす晴樹に

「いいい行ってきます」

顔を真っ赤にしながら手をふる。


不意打ちずるい〜〜〜〜


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