【続】苦いコーヒーと甘いココア 〜バレンタインデー編〜

バレンタインデーだろうとなんだろうと、

授業は淡々と進む。


でも、昼休みか放課後に告白するのだろう、

そわそわしていたり、空を見つめてぼーっとしている女の子が数名いた。


隣の桃子ちゃんは、さっきから意味もなく

シャープペンの芯を出したり入れたりしている。





昼休みがすぎても、桃子ちゃんのその行為は続いていた。

勝負は放課後なんだね…。

頑張れ、と心の中で隣の席に向かってエールを送る。





放課後。


鞄を教室においたまま、何処かへ走って行く桃子ちゃん。

そして、その少しあとに湊くんも同じ方向に歩いていった。



モテる湊くんは、廊下で他の女の子に呼びとめられたりしてたけど

笑顔で何かをいって、その歩みを止めなかった。



後でね、とでも言っているのかもしれない。



でもきっと脈ありだよ、桃子ちゃん!頑張れ!!





そしてその二人の姿を見送ると、私も急いで帰る支度をする。

桃子ちゃんの緊張が伝わってきて、支度するのを忘れてた。
< 7 / 9 >

この作品をシェア

pagetop