【続】苦いコーヒーと甘いココア 〜バレンタインデー編〜
バレンタインデーだろうとなんだろうと、
授業は淡々と進む。
でも、昼休みか放課後に告白するのだろう、
そわそわしていたり、空を見つめてぼーっとしている女の子が数名いた。
隣の桃子ちゃんは、さっきから意味もなく
シャープペンの芯を出したり入れたりしている。
昼休みがすぎても、桃子ちゃんのその行為は続いていた。
勝負は放課後なんだね…。
頑張れ、と心の中で隣の席に向かってエールを送る。
放課後。
鞄を教室においたまま、何処かへ走って行く桃子ちゃん。
そして、その少しあとに湊くんも同じ方向に歩いていった。
モテる湊くんは、廊下で他の女の子に呼びとめられたりしてたけど
笑顔で何かをいって、その歩みを止めなかった。
後でね、とでも言っているのかもしれない。
でもきっと脈ありだよ、桃子ちゃん!頑張れ!!
そしてその二人の姿を見送ると、私も急いで帰る支度をする。
桃子ちゃんの緊張が伝わってきて、支度するのを忘れてた。