【続】苦いコーヒーと甘いココア 〜バレンタインデー編〜
「ただいま〜!!」
いつもは、晴樹の仕事の邪魔にならないようにって
静かに玄関を開ける。
でも今日は、
女の勘…ってやつなのかなぁ、
理由もない自信を持って、元気良く玄関をあけた。
「おかえり、鈴。」
案の定、晴樹は玄関まで出迎えてくれた。
珍しすぎてちょっと驚くと同時に、すっごく嬉しくて
「晴樹〜!!」
そう言って、抱きつく。
「あ、そうだ。」
本当はこのまま抱きついていてもすごく幸せなんだけど、
今日は秘密兵器がある。
隠しきれない口元のにやけを自覚しつつ、
カバンから、とあるチョコを出す。
「ハッピーバレンタイン♪」
そう言って、差し出すと
「お、ありがと。」
なんの疑いもなく受け取った。
心の中で、ガッツポーズ。