恋の魔法に



「……はい。言いました」


赤信号になって二人ともピタッと同時に足を止めた。


……結城くん、ごめんね。でも、ありがとう。嬉しかった。



「ごめんね。つきあうとかはできない」



止まっていた車が走り出したので信号が変わったことが分かった。


私が歩き出すと結城くんが一歩遅れて歩き出した。



「俺が年下だからですか」



斜め後ろから聞こえた小さなその声に驚いた。
いつもハキハキとしゃべる結城くんしか私は知らない。


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