恋の魔法に
机の上に広げられている英語のワークに視線を落とす。
うん。私も宿題終わらなかった……
「頭抱えてなにやってんの?」
上から降ってきたその声に顔をあげる。
「志帆、おはよぉ〜 宿題終わった?」
「うん。まぁ、一応」
さすが志帆だ。
計画性がない私とは大違い。
「もう体育館に移動した方がよくない? 始業式でしょ」
「あ、そっか。体育館絶対寒いよね」
机の横にかけてある体育館履きの袋を取って私たちは教室を出た。