恋の魔法に


机の上に広げられている英語のワークに視線を落とす。

うん。私も宿題終わらなかった……


「頭抱えてなにやってんの?」


上から降ってきたその声に顔をあげる。


「志帆、おはよぉ〜 宿題終わった?」

「うん。まぁ、一応」


さすが志帆だ。

計画性がない私とは大違い。


「もう体育館に移動した方がよくない? 始業式でしょ」

「あ、そっか。体育館絶対寒いよね」


机の横にかけてある体育館履きの袋を取って私たちは教室を出た。

< 112 / 255 >

この作品をシェア

pagetop