恋の魔法に



始業式とか、いつも校長先生の話が長いから嫌なんだよね。

じっと座ってるのも疲れるんだもん。


「やー、体育館寒い!なんでカイロ忘れちゃったんだろ」

「莉子がカイロ忘れるなんて珍しい。いつも持ってるよね」


ブレザーのポケットに突っ込んでいた手を出してこすりあわせる志帆。

体育館の中はチラホラと人が集まっていた。

ストーブの周りにみんな群がっている。

入り口の前に立ち止まってるわけにもいかず、端っこに寄って体育館履きに履き替えた。

開始時間が近づくにつれ生徒たちはどんどん体育館に入ってくる。


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