恋の魔法に


「そろそろ並ばなきゃだよね。あたし前だから行くね」


名簿順に並ばなければいけないのだ。


志帆は"朝倉"だから出席番号1番で、私は"葉山"なので29番。


すごーく離れてるんだよね。


前の方に歩いて行く志帆の背中をぼーっと見つめてるとドンっと誰かにぶつかってしまった。


「わ、すみませんっ」


聞き覚えのある声だった。

声のした方に顔を向けると相手も驚いてる表情を見せた。


「あ……先輩」


……結城くん。

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