恋の魔法に



その人懐っこい笑顔がまた見たい。

私……嫌われたくない。


自分がわからない。
なんでこんなこと思ってるんだろ。


「莉子? 教室戻らんのー?」


おでこを軽く突かれてハッと我に返る。

始業式はもう終わったらしく、みんな出口の方へと向かっていた。

完全に自分の世界に入ってた……
危ない危ない。


「どうしたの。泣きそうな顔して」

「そっ、そんな顔してないよ」


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